神戸大学大学院医学研究科 未来医学講座 分子疫学分野
2022年11月に、これまでの地域社会医学・健康科学講座 疫学分野が改組され、未来医学講座 分子疫学分野となり、2023年11月1日より、篠原正和が教授を拝命しました。分子疫学分野では、公衆衛生学・疫学を基盤としつつ、様々な疾患について、超早期診断・未病における介入を可能とする先端的研究を目指します。曝露とアウトカムとの関連を検討する疫学において、今日さまざまなオミックス情報が、分子疫学研究として導入されつつあります。我々は、新しい分子疫学研究の手法として、質量分析技術を基盤とした低分子代謝物の包括的解析(メタボローム解析)に取り組んできました。水溶性代謝物・脂溶性代謝物の動きを捉えることで、さまざまなヒト疾患病態の新たな理解を進め、超早期診断・未病における介入を実現したいと考えています。
できたばかりの小さな教室ではありますが、教員それぞれがコアとなる技術を持ち寄り、上記の夢を目指しています。教授の篠原が、質量分析を応用した次世代オミックス研究を担当、助教の西森が、深層学習・機械学習等を用いた医療AI・データサイエンスを担当、そして特命助教の片岡が、公的統計データを用いた社会疫学を担当します。
質量分析を応用したメタボローム解析では、篠原がセンター長を兼務する質量分析総合センターとの連携のもと、ガスクロマトグラフ質量分析計・液体クロマトグラフ質量分析計を活用した研究を行っています。生化学、分析科学の基礎から、オミックスデータと臨床データの統合処理まで、幅広いスキルを学びましょう。
医療AI・データサイエンス領域では、AI技術(深層学習や機械学習)と医療データを組み合わせて疫学研究を行っています。特に、循環器系の画像やデータを用いたAIモデル開発に注力しており、新たなモデルの開発なども行っています。先端的な研究に参加することで実践的なスキルを習得し、学術的成果を追求するだけでなくそれを社会に応用することを目指しています。
社会疫学領域では、国や自治体が保有する公的統計データを活用した疫学研究に取り組んでいます。特に健康の社会的決定要因を解明する社会疫学研究に着目し、日本・自治体内における健康格差のモニタリングやメカニズム解明、格差縮小に向けた介入効果予測を行っています。公的統計データの利活用、自治体との協働体制のもと研究を遂行することで、公衆衛生のスペシャリストとして必要なスキルの取得、そして国・自治体とアカデミアの架け橋となれるような人材育成を目指しています。
研究内容紹介(BMS修士課程の説明動画ですが、博士課程でも研究テーマは共通です)
https://www.dropbox.com/scl/fi/npsibjl9c5x3vb2v8uxya/BMS-_.mp4?rlkey=3on47o8rhclw4y6j7qqddct5h&dl=0
興味をお持ちのかたは、ぜひ篠原まで mashino(アットマーク)med.kobe-u.ac.jpまで、ご連絡ください。
2023年11月1日 篠原正和
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